アプガースコアについてお調べですね。
アプガースコアとは、生まれたての赤ちゃんの健康指数です。
さまさまな基準によって、10点満点で採点されます。
しかし、必ずしも「満点じゃなければならない」というわけではありません。
今回はアプガースコアについての知識やどのように活用されているのかを分かりやすく解説!
アプガースコアに詳しくなって、赤ちゃんの健康状態に向き合いましょう。
目次
1.アプガースコアとは赤ちゃんの健康指数

アプガースコアとは、生まれたての赤ちゃんの健康指数のことす。
赤ちゃんが生まれてすぐに測定を行います。
アプガースコアによっては、すぐに処置を行わなければならないケースもあるのです。
10点満点で採点され、アプガースコアが低いほど生存率は低くなります。
どのようにアプガースコアが出来たのか、歴史や採点方法を確認していきましょう。
1ー1.アプガースコアの歴史
アプガースコアは、アメリカの医学者であるバージニア・アプガーによって導入された評価方法です。
1952年よりアメリカで導入され、日本では1960年頃から広く導入されるようになりました。
約70年が経った今でもアプガースコアの点数と新生児の生存率は関係性があるとされ、現在も医療現場で使われている評価方法です。
「臍動脈血の pH 測定のほうがより客観的なのでは?」といった提唱もされていますが、現在ハプガースコアが一番新生児期の生存予測うに有意義あると結論づけもされています。
アプガースコアは、皮膚色(Appearance)・心拍数(Pluse)・刺激に対する反射(Grimace)・筋緊張(Activity)・呼吸(Respiration)の5つの採点基準で評価を行うものです。
これらの項目の頭文字を繋げると「APGAR」となり、バージニア・アプガー氏の名前になります。
1ー2.アプガースコアの採点方法
アプガースコアは、生まれてからすぐ2回採点を行います。
1度目は生まれて1分後、2度目は生まれて5分後に採点されるのです。
1分後のアプガースコアが低くても、5分後に正常範囲内であれば問題なく「健康である」と判定されます。
しかし、5分経っても数値が低いままだったり、1分後より数値が下がっている場合は危険信号です。
赤ちゃんの生存率に大きく関わるため、NICUでの管理を行うことになります。
1ー3.満点でなくても大丈夫
アプガースコアは10点満点で採点されますが、満点でなくても大丈夫です。
ほとんどの赤ちゃんは、8点〜9点と判断されます。
7点以上で正常と判断されるので、心配いりません。
しかし、5分後のアプガースコアが7点未満であれば、アプガースコアが正常範囲内になるまで人工呼吸をするなどの処置が必要です。
どれくらいで正常範囲内の数値になるか、経過を見る必要があります。
現在の医学では、0点〜3点であっても蘇生をして5分後に点数の上がる赤ちゃんがほとんどです。
あくまでもアプガースコアは生まれたての赤ちゃんに適切な処置を判定するためのものだと認識しましょう。
当然、低い数値だからと言って体の弱い子に育つというわけではありません。
2.アプガースコアの採点基準

アプガースコアの採点基準には、以下の5つの基準があります。
- 基準1.皮膚色(Appearance)
- 基準2.心拍数(Pulse)
- 基準3.反応(Grimace)
- 基準4.筋緊張(Activity)
- 基準5.呼吸(Respiration)
それぞれ0点〜2点で評価され、合計点数を確認します。(2点×5項目=10点満点)
詳しく確認していきましょう。
基準1.皮膚色(Appearance)
生まれたての皮膚の色を確認します。
0点 |
|
1点 |
|
2点 |
|
基準2.心拍数(Pulse)
生まれたての心拍数を測定します。
0点 | 60/min未満 |
1点 | 60/min〜100/min未満 |
2点 | 100/min以上 |
基準3.反応(Grimace)
生まれたての反応を確認します。
0点 | 反応しない |
1点 |
|
2点 |
|
基準4.筋緊張(Activity)
生まれたての手足の動きから筋肉の様子を確認します。
0点 | 弛緩している (ほとんど動かず、だらんとしている) |
1点 | 少しだけ四肢(手足)を動かす |
2点 | 活発に四肢(手足)を動かす |
基準5.呼吸(Respiration)
生まれたての呼吸状態を確認します。
0点 | 呼吸をしない |
1点 | 弱い、または不定期で呼吸をする (弱々しく泣く) |
2点 | 強く呼吸する(強く泣く) |
それぞれの点数を足し、10点満点でスコアをつけます。
スコアによって以下のように判定されます。
- 7点〜10点・・・正常
- 4点〜6点・・・軽度仮死(第1度仮死)
- 0点〜3点・・・重度仮死(第2度仮死)
7点未満であれば経過を見ながら正常のスコアになるまで、何度か測定を繰り返します。
仮に点数が低くても、蘇生を行いすぐに正常になるケースが多いです。
心配しすぎないようにして、お医者さんに任せましょう。
3.アプガースコアは母子手帳に記載されていることも

「自分の子のアプガースコアなんて知らない」という人も多いでしょう。
実際、ほとんどの人がアプガースコアのことを知りません。
というのも、アプガースコアはお母さんやお父さんに伝えられないからです。
あくまでも、医療機関内で新生児の健康状態を適切に伝え、処置をするために必要な数値だからです。
しかし、母子手帳を見るとアプガースコアが記載されていることがあります。
一度母子手帳を見てみましょう。
ただし、「カルテや助産記録にはアプガースコアを書かなければならない」と決まっていますが母子手帳に書く決まりはありません。
必ずしも記載されているとは限らないので注意しましょう。
また、アプガースコアがいくつだったかによってその後の健康状態が分かるわけではありません。
あくまでも生まれたての新生児期の健康状態の指数であることを改めて理解しておきましょう。
まとめ
アプガースコアとは、生まれたての赤ちゃんの健康指数のことです。
5つの基準によって10点満点で採点されます。
決して「満点じゃなければならない」というわけではありません。
0点〜3点といった低い数値であっても、蘇生をすれば正常になる赤ちゃんがほとんどです。
あくまでもアプガースコアは生まれたての赤ちゃんに適切な処置を判定するためのものだと認識しましょう。
当然、低い数値だからと言って体の弱い子に育つというわけではありません。
あまりアプガースコアを気にせず、今の赤ちゃんの健康状態と向き合うようにしましょう。
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