「子供が心身の不調を訴えているが、もしかしたらいじめの後遺症かもしれない。。」とお悩みではないでしょうか。
いじめ後遺症は、いじめを受けた子供に多く見られる症状です。
不適切な対処により、子供が生涯にわたって苦しめられてしまう可能性があるため、決して軽く考えてはいけません。
いじめ後遺症を克服するためには、医師によるカウンセリングが効果的です。
この記事では、いじめ後遺症の症状について解説しながら、簡易的な診断チェックリストを紹介します。
症状について知って診断チェックリストを活用することで、いじめ後遺症を克服していきましょう。
目次
1. いじめ後遺症とは

いじめ後遺症とは、いじめが起きた後に引き起こされる精神的・肉体的な症状のことです。
いじめ後遺症は、大人になってから発症する場合もあります。
大人になってから、いじめのことを思い出して、いじめ後遺症を発症してしまうのです。
したがって、いじめを受けた後、なるべく早い段階からの対処が効果的であると言えます。
以上、いじめ後遺症とはどんなものを指すのかについて解説しました。
ここからは、いじめ後遺症の症状について見ていきましょう。
1−1. いじめ後遺症の症状は?

いじめ後遺症の代表的な症状は、以下の通りです。
- 対人恐怖症
- 社会不安障害
- パニック障害
- うつ症状
- 引きこもり
- 自殺願望
- 不眠
上記の症状が複数チェックできるような場合には、いじめ後遺症かもしれません。
また上記のような症状には、大人になってからも悩まされる場合があります。
ここからは、大人が悩まされるいじめ後遺症について詳しく見ていきましょう。
1−2. いじめ後遺症は大人も悩まされる

子供の頃に受けたいじめによってできた心の傷が、大人になってからいじめ後遺症を引き起こすことがあります。
子供がいじめを受けてから、時が経過して社会人となり、会社の上司のパワハラがきっかけで精神障害を患ってしまう場合があるのです。
後遺症を引き起こしてしまうと、以前のように仕事内容を覚えたり、テキパキと動くというようなことができなくなってしまいます。
このように、いじめ後遺症は、人生を大きく変えてしまう恐れのある病気です。
したがって、いじめ後遺症は、早い段階で克服することが大切であると言えます。
以上、いじめ後遺症の症状について解説しました。
ここからは、いじめ後遺症が与える影響について詳しく見ていきましょう。
2. いじめ後遺症はどのような影響があるの?

いじめ後遺症が与える影響を、以下の4つに分けて解説します。
- 脳に与える影響
- 身体に与える影響
- 仕事に与える影響
- 恋愛に与える影響
以上、4つの影響を知っておくことが、いじめ後遺症の克服につながります。
それぞれ、順番に確認していきましょう。
2−1. いじめ後遺症が脳に与える影響

暴言・暴行などのいじめは、脳内の前頭前野という部分の容積を減少させると言われています。
また、悲しみや恐怖を制御する部位である扁桃体は、約1割大きくなるのです。
その結果、感情の制御や思考力やコミュニケーション能力などに支障をきたすようになります。
このようにして、いじめは脳の形を変えてしまうほどのものなのです。
さらに、いじめによって脳に影響が与えられた結果、以下のような精神的な傾向が現れます。
- 人が信じられなくなる
- 自分に自信が持てなくなる
- 自己肯定感が低くなる
それでは、それぞれの傾向について順番に見ていきましょう。
人が信じられなくなる
いじめを受けると、他人が恐ろしくなり、信用することができなくなる傾向があります。
たとえば、心の中では「この人は信じても大丈夫」であると思っていても、何かしらの不安がつきまとうのです。
そのため、完全に人を信用しきることができない状態に陥ります。
他人の言動を気にしすぎるあまり、「騙されているのではないか」と考えてしまうのです。
このような不安感によって、自分の気持ちがよりいっそう他人を信用することから遠ざかっていきます。
自分に自身が持てなくなる
いじめを受けると、自分の行動に自信がなくなり、おどおどしてしまう傾向があります。
また、自分の容姿が他人を不快にしているのではないかと不安になり、顔を隠したり口数が少なくうつむきがちになったりするのです。
このように、自信が持てない状態に陥ってしまうので、成長して自身のない大人になってしまうことも少なくありません。
自己肯定感が低くなる
いじめを受けると、なぜいじめられるような人間になったのか、自分の欠点のあら探しをする傾向にあります。
たとえば、自分のことを「いじめられるようなダメな人間である」と感じ、自己肯定感が低くなってしまうのです。
また、いじめられると、加害者よりも自分のことを責めてしまいます。
そのため、「自分が立派な人間であれば他人からいじめられたりしない」と考えてしまい、大人になっても自分を認めることができなくなってしまうのです。
このように脳に悪影響を与える症状に陥らないためにも、いじめ後遺症は早い段階で対処してください。
以上、いじめが脳に与える影響について解説しました。
ここからは、いじめが身体に与える影響はどんなものなのか、見ていきましょう。
2−2. いじめ後遺症が身体に与える影響

いじめを受けると、他人と関わることに強いストレスを感じることがあります。
そのため、身体には、胃腸を弱めたり、頭痛に苦しめられる症状などが現れるのです。
また、不安で眠れないといった症状になる人もいます。
上で挙げたような身体に影響を与える症状は、心因的なものとして診断される場合が多いです。
このような身体に悪影響を与える症状に陥らないためにも、いじめ後遺症は早い段階で対処してください。
ここまで、いじめ後遺症が身体に与える影響について解説しました。
ここからは、仕事をする上で、いじめ後遺症はどのような影響を与えるのか、見ていきましょう。
2−3. いじめ後遺症が仕事に与える影響

いじめ後遺症は、仕事をする年齢になっても影響を与えるのです。
たとえば、自信がないために、自分の意見がはっきりと言えないという場合があります。
そして他人が怖いために、コミュニケーション不全に陥るのです。
コミュニケーション不全は、就業自体にも影響を与えます。
例えば、自分が望む仕事に就けなかったり、就職をしても長続きしないというような、仕事面で上手くいかないことが多いです。
本来は能力があるとしても、「自分にはできない」と考えがちで、そのことが失敗を引き起こしたりします。
そのことで上司に怒られると、過去のいじめの恫喝を思い出すこともあるのです。
このように仕事面で上手くいかない状態に陥らないためにも、いじめ後遺症は早い段階で対処してください。
ここまで、いじめ後遺症が仕事に与える影響について解説しました。
ここからは、恋愛において、いじめ後遺症はどのような影響を与えるのか、見ていきましょう。
2−4. いじめ後遺症が恋愛に与える影響

いじめを受けると、自信・肯定感・他人への信頼感が破壊されます。
その結果、恋愛を億劫に感じる人は少なくないでしょう。
たとえ好きな人ができても、「自分みたいな人間は愛されない」と考えたり、「こんな容姿だから告白できない」と感じることで、恋愛に積極的になることができません。
もしも恋人ができたとしても、心から信用できない状態が続いてしまいます。
その結果、恋人と上手くいかないこともあり、恋愛下手になってしまいます。
したがって、孤独になったり、結婚がなかなか上手くいかなかったりということも少なくないでしょう。
このように恋愛面で上手くいかない状態に陥らないためにも、いじめ後遺症は早い段階で対処してください。
以上、いじめ後遺症が与える様々な影響について解説しました。
「もしかしたら自分もいじめ後遺症かもしれない。。」なんて、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
ここからは、いよいよいじめ後遺症の診断チェックリストを見ていきましょう。
3. いじめ後遺症の診断チェックリスト

いじめ後遺症の診断チェックリストは、以下の通りです。
- 自分に自信がない
- 自分を褒めることができない
- 自分には価値がなく、生きている意味はないと思う
- 他人と関わることが苦手である
- 他人と関わっていても楽しくない
- 他人と一緒にいることが怖くて、孤独になりがちだ
- 他人によくバカにされていると感じる
- 人が多いところは必要以上に緊張する
- 過度な不安を感じることがある
- 死にたいと思うことがある
いくつの項目が当てはまったでしょうか?
いじめを受けた経験があり、かつ半分以上の項目に当てはまれば、いじめ後遺症の可能性があります。
気にかかることがあれば、心療内科や精神科などの病院で診察を受けることを考えてみてください。
以上、いじめ後遺症のチェックリストについて紹介しました。
ここからは、いじめ後遺症の克服について見ていきましょう。
4. いじめ後遺症を克服するためには?

いじめ後遺症を克服するためには、いじめ体験と向き合い、「自分は悪くなかった」「自信を持っても大丈夫だ」と理解することが必要です。
いじめを受けると、自尊心や自分の存在意義を失っている可能性があります。
自尊心や存在意義を自らで再び育て、「自分は存在していても許される人間だ」と自覚できるようにしなければいけません。
このようにいじめ後遺症を克服することで、新たな気持ちで毎日を過ごすことができるはずです。
以上、いじめ後遺症を克服するために必要な心構えを解説しました。
ここからは、いじめ後遺症の克服のために有効である、病院でのカウンセリングについて確認していきましょう。
4−1. 病院での治療・カウンセリング

いじめ後遺症を克服するために大切なことは、病院・クリニックで症状を診断してもらった上で、診察・カウンセリングを受けることです。
病院で診察を受けて、きちんと診断をしてもらい、カウンセリングによって自分の置かれている状況を見つめ直していきます。
カウンセリングを受けることによって、頭の中と感情を整理して理解することができるのです。
カウンセリングによって、自分の状態を理解して自覚を持つことが、いじめ後遺症治療への第一歩になると考えましょう。
ちなみに、病院・クリニックは、専門家が在籍する心療内科や精神科があるところを選んでください。
心療内科や精神科のある病院・クリニックは『病院なびのページ』から探すことができます。
まとめ
いじめ後遺症とは、いじめが起きた後に引き起こされる精神的・肉体的な症状のことです。
いじめ後遺症には、大人になってからも苦しめられることがあります。
いじめの後遺症を克服するためには、医師によるカウンセリングが有効な方法です。
診断チェックリストで当てはまる項目が多い場合には、心療内科や精神科などの病院・クリニックで診察を受けることを考えてみてください。
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