「我が子が不登校になってしまった場合、私たち親にできることは何なんだろう。。」とお悩みではありませんか?
自分の子どもが不登校になるなんて信じられないという人も多いはずです。
しかし、小学生の不登校は決して珍しいことではなく、うまく対応すれば問題ありません。
そこで今回は、子どもが不登校になるきっかけや対処法、親としてできることなどを解説していきます。
大切な我が子が1日でも早く笑顔で登校できるよう、親としてできることを考えていきましょう。
1.不登校って普通なの?

小学生の不登校は年々増加傾向にあり、珍しいことではありません。
『平成28年の文部科学省の調査』によると、小学生の不登校の人数は3万1千人にのぼるという調査結果が出ています。
そういったことを知らないまま、「自分の子どもはおかしいのではないか」と考えてしまうのは悲しいことです。
また、子どもが不登校になるのには理由があります。
その理由を知った上で、適切な対応をしてあげるべきです。
そこでまずは、不登校になる原因を学年別に見ていきましょう。
2.不登校になってしまう原因は?
子どもが不登校になる原因は、学年によって異なってきます。
ここでは、小学校低・中・高学年に分けて、不登校になる原因を見ていきましょう。
2‐1.小学校低学年
小学生1~2年の子どもは、保育園や幼稚園から小学校に上がることで環境が大きく変わるので、以下のような理由で不登校になりやすくなります。

それぞれについて見ていきましょう。
親と離れることへの不安がある
親と長時間離れることへの不安や寂しさが不登校の原因になる場合があります。
たとえば、子どもが朝起きるのをぐずったり、理由もなく「学校が嫌い」などと言うときは、親と離れたくないことが原因の可能性が高いです。
ルールや集団行動に慣れない
小学生になると、ルールや集団行動が増えるのも不登校の原因です。
幼稚園や保育園の時は1人遊びをしていた子どもたちも、時間割や決められたルールのもと生活しなけばならなくなります。
集団行動が苦手な子どもは周りから孤立してしまい、不登校になる可能性が高いです。
勉強が本格的に始まる
小学校に上がって勉強が本格化すると、勉強が嫌いな子どもは学校に行くのを嫌がるようになります。
これは、勉強についていけないという理由からではありません。
長時間じっと座って授業を受けることや、なにかを学ぶことに慣れていないためです。
2‐2.小学校中学年
小学生3~4年生になってくると、不登校の原因が環境の変化から人間関係や学習の遅れなど、以下のような理由に移っていきます。

それぞれについて見ていきましょう。
クラス内のグループに入れない
小学校中学年になると、クラス内に複数のグループが形成されます。
グループに入れない子どもは自分には居場所がないと思い、学校に行くのを嫌がってしまうのです。
また、先生に見えないところでのいじめや陰口なども始まり、人間関係が複雑になっていくのも不登校の原因になります。
自分と周りを比べるようになる
小学校中学年になると、少しずつ周りが見えるようになり、自分と周囲を比べるようになります。
授業内容も少しずつ難しくなり、周囲と比べることで自信をなくし学校に行きたがらなくなってしまうのです。
テストの点を気にしたり、運動神経などで周りと自分を比べて落ち込むような発言があれば、注意が必要になります。
皆の前で叱られるのが恥ずかしい
中学年になると、だんだん「恥ずかしい」という気持ちが強くなるのも不登校の原因になります。
みんなの前で失敗したり、叱られたり、からかわれたりすることに傷つき、学校に行くのが嫌になっていくのです。
たとえば、今まで積極的だった子どもが急におとなしくなる場合や、意見を言うのを嫌がる場合は、恥ずかしさが原因の不登校になっている可能性があります。
2‐3.小学校高学年
小学校5~6年生になると身体つきが大人に近づき、男女の違いがはっきりしてきます。
また、個人差はありますが思春期になる子どもが多く、世の中に疑問や意見を抱き始める頃です。
この時期には、以下のような理由で不登校になる可能性が高くなります。

それぞれについて見ていきましょう。
人間関係が複雑になって馴染めない
小学校高学年になると男女の差異が大きくなり、人間関係がさらに複雑になっていきます。
陰口やいじめなどがヒートアップし、精神的にも深く傷ついた子どもは不登校になることが多いです。
たとえば子どもの文房具などがなくなっていたり、友達の話をしなくなった場合にはいじめられている可能性があります。
親や先生への反抗心を覚える
思春期を迎えた子どもたちには自我が芽生え、先生の教え方や親の考え方などさまざまな疑問が生まれるようになります。
その結果、学校や先生、親に対して反抗心を覚え、言うことを聞かなくなってしまうのです。
思春期の反抗期は大人になるための大事は1歩ではありますが、そういった反抗心が不登校の原因になることもあります。
勉強についていけなくなる
高学年になるとより一層授業内容が難しくなり、勉強についていけなくなることも不登校の原因です。
テストの点数を強く意識するようになり、開き直って勉強を諦めてしまうこともあります。
勉強ができなことがコンプレックスとなり、学校に行くのを避け、反抗期がよりひどくなってしまう事もあるのです。
以上が、学年別に見る不登校の原因でした。
不登校になってしまった場合には、早めにケアをしてあげることが大切です。
次に、不登校になってしまった時に、親が子どもにしてあげられることを見ていきましょう。
3.不登校になった子どもに親ができること

子どもが不登校になったときに、親にできることは以下の3つです。
- 3−1.ゆっくり休ませてあげる
- 3−2.気分転換をさせてあげる
- 3−3.学校以外の場所に居場所を作る
これらをしてあげることによって、子どものストレスを大幅に少なくすることができます。
それぞれについて見ていきましょう。
3−1.ゆっくり休ませてあげる

子どもが不登校になった場合に最初にしてあげてほしいのは、ゆっくり休ませてあげるということです。
不登校になった子どもは、強いストレスを抱えています。
自分が不登校になってしまったことに対して自己嫌悪になってしまうことも多いです。
まずはゆっくり休ませてあげて、気持ちを落ち着かせてあげてください。
その際、不登校になった理由は深く聞かず、子どもの気持ちに寄り添ってあげることも子どもにとっては大きな支えとなります。
3−2.気分転換をさせてあげる

子どもが不登校になったときは、思い切って気分転換させてあげることも大切です。
学校を休んでいると、どうしても自分はダメな人間だと思いがちになります。
そうならないためにも、普段行かないような場所へ遊びに行ったり、自然と触れ合ったりなどして気分をスッキリさせるのが良いでしょう。
好きなことをとことんやらせてあげるのも、この時期には重要です。
小さな成功体験でも自己肯定感や自信の形成につながり、不登校からの回復に大きな役割を果たします。
3−3.学校以外の場所に居場所をつくる

学校以外の場所に子どもの居場所をつくってあげることも大切です。
学校という狭いコミュニティの中にいると、子どもたちは学校がすべてだと勘違いしてしまう傾向があります。
しかし、世の中には子どもが思う以上にたくさんのコミュニティがあり、そこに自分の居場所を作ることが可能です。
習い事など学校のほかに自分の居場所を作ることができれば、学校に対する嫌な気持ちも少なくなります。
自分には他にも居場所があるという安心が、子どもに不登校と向き合う勇気を与えてくれるので、したいことがある場合には積極的にさせるようにしましょう。
以上が、子どもが不登校になった場合は親がしてあげられること3つでした。
これら3つのことを行って子どもが登校に対して前向きになってきたら、次は不登校から抜け出すために動いていきましょう。
4.自分の子どもが不登校になった時の5ステップ

ここからは、不登校になった子どもが登校できるようになるまでのステップを5つにわけて説明します。
- ステップ1.子どもに安心感を与える
- ステップ2.冷静に子どもの意見を聞いて共感する
- ステップ3.学校の先生に相談する
- ステップ4.カウンセラーに相談する
- ステップ5.フリースクールに通う
時期によって子どもに必要なことや、してあげることが変わってきます。
それぞれのステップについて、順番に見ていきましょう。
ステップ1.子どもに安心感を与える

始めにしてほしいのは、子どもに安心感を与えてあげることです。
不登校になった子どもを無理やり学校に行かせると、「誰も自分の気持ちをわかってくれない」と思ってしまいます。
そうならないためにも、まずは「あなたの居場所はここにあるよ、私はあなたの味方だよ」と安心させてあげることが大切です。
そして、「学校へは行っても行かなくても良い」というスタンスを示すようにしましょう。
無理に行かなくても良いと思えることで、子どもは安心することができます。
ステップ2.冷静に子どもの意見を聞いて共感する

次にしてほしいのは、子どもの話を冷静に聞いてあげることです。
ポイントは、親の意見を押し付けるのではなく、子どもの意見に耳を傾けて共感することになります。
子どもに対しての親の否定的な発言やアドバイスは逆効果です。
子どもは、適切なアドバイスではなく、自分の意見に共感して欲しいと思っています。
まずは子どもの話に共感し、好意と肯定を示すようにしましょう。
ステップ3.学校の先生に相談する

子どもから理由を聞いた後は、学校の先生にも相談してみてください。
子どもの普段の生活を知っている先生に話を聞くことで、原因や対策について一緒に考えることができるためです。
子どもが先生に懐いている場合には、先生に相談していた可能性もあります。
また、最近の小学校では、親が学校まで送ることや、保健室登校を許可することなどの特別な対応を認めている学校も多いので、一度相談しているのが良いでしょう。
ステップ4.カウンセラーに相談する

子どもがなかなか本音を話してくれない場合には、専門のカウンセラーに相談してみるのも良い方法だと言えます。
病院で診察を受ける場合には、心療内科や精神科を受診するのが一般的です。
病院でのカウンセリング料は、1時間あたり3000円~5000円が相場になっています。
自分の親や先生には恥ずかしくて話せないことも、カウンセラーには話せるという場合もあります。
最近では不登校をメインに診察してくれるクリニックもあるので、「不登校 カウンセリング」などで調べてみましょう。

(引用:不登校児へのカウンセリング|相談内容|心理オフィスK)
たとえば、横浜なら『心理オフィスK』というカウンセリングを行ってくれる場所があります。
自分の地域にもカウンセリング施設がないのかを調べてみてください。
ステップ5.フリースクールに通う

どうしても学校に行きたがらない場合には、フリースクールに通うという選択肢もあります。
フリースクールとは、何らかの理由で学校に行くことができない子どもたちが勉強をする場所です。
子どもに無理をさせずに楽しく過ごしもらうことを目的としているため、子どもたちは比較的自由に活動することができるのが特徴となっています。
勉強をするという点では小学校と変わらないので、不登校が長期化する場合にはフリースクールに通わせることを考えても良いでしょう。
『NPO法人のフリースクール全国ネットワーク』では、日本全国にあるフリースクールを検索することができます。

(引用:http://freeschoolnetwork.jp/member)
それぞれのフリースクールでは見学なども随時行っているので、気になる場合は一度連絡をとってみてください。
子どもとの相性もあるので、いくつか見学させてもらうとイメージしやすくなります。
以上が、不登校になった子どもが回復に向かうまでの5ステップでした。
最初は子どもとうまくコミュニケーションが取れずもどかしく感じるかもしれません。
しかし、焦らずにゆっくりと時間をかけて子どもと一緒に解決方法を見つけていきましょう。
最後に、子どもと接するときに気を付けることをお伝えします。
5.これから子どもに接する時に気を付けること

不登校になった子どもに接する際に、親として気を付けることが3つあります。
- ポイント1.学校に行かなくても子どもを愛する
- ポイント2.子どもの内面まで理解しようと努力する
- ポイント3.長い目で見守る
この3つのポイントが守れないと、大切な子どもを傷つけてしまう可能性があります。
そうならないためにも、それぞれについてしっかり理解しておきましょう。
ポイント1.学校に行かなくても子どもを愛する

まずは、学校に行かなくても子どもを愛してあげてください。
学校に行っても行かなくても、子どもにとっての親はあなただけなのです。
なかなか学校に行きたがらない子どもに対してもどかしく感じることもあるでしょう。
そんなときほど、子どもを愛する気持ちを思い出して落ち着いて行動しなければなりません。
ポイント2.子どもの内面まで理解しようとする

2つ目にしてほしいのは、子どもの内面まで理解しようとすることです。
たとえ不登校であっても、家では普段どおり元気な子どももいます。
そんなとき、「元気なのに学校に行かないのはただの甘えなんじゃないか」と考えてしまうかもしれません。
しかし、子どもは親が思う以上に繊細です。
表面では元気でも、内側では色んな感情と戦っています。
不登校は決して甘えではないこと、逃げではないことを理解してあげてください。
ポイント3.長い目で見守る

そして、子どもが不登校になっても長い目で見守ってあげてください。
不登校は、すぐに解決することもあれば長期化する場合もあります。
そのどちらにおいても大切なのは、親が温かい目で見守ってあげることです。
無理に学校に行かせるのではなく、子どもの気持ちに寄り添って、子どもが一番楽しくいられる環境を探してあげましょう。
以上が、子どもと接する際に気を付けたいこと3つでした。
親として必要なサポートを心がけつつ、子どもが少しでも良い方向に向かっていくのを待つことが重要です。
まとめ
不登校になった子どもにとって大切なのは受け入れ、共感し、応援してあげることです。
家族の支えが子どもにとっての支えとなり、居場所になります。
学校だけがすべてではありません。
家族としてできること、子どもにとって最善の方法を考えていきましょう。
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