かんしゃくについてお調べですね。
かんしゃくとは、子供が大声で泣いたり暴れたりする状態です。
感情が爆発して自分でも止められなくなります。
基本的にかんしゃくは子供が自立を始めるための行動で病気ではありません。
今回は、子供がかんしゃくを起こす原因や親の正しい対処法、発達障害との関連について分かりやすく解説します。
子供のかんしゃくについて理解を深め、のびのびした子供を育てましょう。
目次
1.かんしゃくを起こす3つの原因

かんしゃくをおこしてのけぞる子供
かんしゃくには、関心・願い・拒否という欲求によって生じる3つの原因があります。
関心とはかまってほしいということ、願いとはものをねだったり、遊んでいたいということ、そして拒否とは現在の状況から逃げたいということです。
これらの欲求があっても、うまく出来ない、うまく言えない、感情をコントロールできないという3つが原因となって子供のかんしゃくを引き起こします。
かんしゃくは、激しい感情の爆発による欲求不満を表現する子供の反応です。
子供の中で、何かしら自分にとって不都合なことがあってもそれを表現したり解決する方法がわからないために、かんしゃくという手段によって解消しようとします。
かんしゃくは2歳からはじまり5歳を過ぎると減っていくといわれていますが、大きくなってもかんしゃくが減らないことで困っている親も多いです。
子供のかんしゃくを理解するために、3つの原因を詳しく見ていきましょう。
原因1.やりたいことがうまく出来ない
子供には、器用さや行動の範囲に限界があるためやりたいことがうまく出来ないためかんしゃくをおこすことがあります。
自立途中の子供には、自分の欲求に必要な行動力が伴っていません。
例えば、疲労や空腹に対して大人であればタクシーを拾ったり食事を用意したりすることが出来ますが子供にはこうした行動をすることが出来ないのです。
成長して自立心が芽生えてきますが、この時期の子供は心も身体も発達途中なためうまく出来ません。
ゲームや工作といったことも年長者や大人のように体を動かすことが出来ないのでかんしゃくを起こしてしまうことになります。
原因2.言いたいことがうまく言えない
2つ目の原因は、子供に表現力が備わっていないため言いたいことがうまく言えないことです。
幼児は、言葉をしゃべるようになったとはいえ十分な言葉や語彙がありません。
そのため、自分の気持ちや欲求を親や他人に対して言葉や身振り手振りなどによってうまく伝えることが出来ないのです。
そのため、何とかしたいという欲求をかんしゃくという手段でもって行使することに繋がります。
原因3.感情をうまくコントロールできない
子供は落ち着かない気持ちや、気に入らない状況をコントロールすることが出来ません。
大人にとっても、注目を浴びたい、物事をうまくこなしたい、不都合な状況を拒否したいという欲求はあります。
そのようなときにうまくいかなかったとしても、大人であれば、気分を落ち着かせたり、気分転換するなどの感情をコントロールする手段を身につけています。
しかし、子供にとっては、こうした感情のコントロールはこれから学んでいく段階です。
感情のコントロールができない子供は、かんしゃくを起こすという手段によって状況を変えるしかないといえるでしょう。
しかし、かんしゃくを起こせば親が折れる、かんしゃくを起こせば言うことを聞いてくれるという習慣をつけないようにしてください。
気持ちをコントロールする方法を学んだり、我慢を学ぶことが子供には必要なのです。
では、かんしゃくを起こした子供にとってどのように対処するのがよいのか、次の章で見ていきましょう。
2.子供がかんしゃくを起こしたときの3つの対処法
子どもがかんしゃくを起こしたときに有効な3つの対処法を解説していきます。
これから紹介する3つの対処法は、子供に別の刺激を与えることで落ち着かせる方法です。
かんしゃくを起こしてしまった子供に、次の3つの対処法を実践してください。
対処法1.落ち着かせる
一つ目は、子供の気持ちをそらせたり、場所を移動することで落ち着かせる方法です。
買ってほしいおもちゃや、嫌なこと、場所から違うことに興味を向けさせたり、場所をかえることでかんしゃくの元がなくなります。
上手く気をそらすことで、かんしゃくが起きた子供の感情を落ち着かせることが出来ます。
対処法2.スキンシップをとる
2つ目の方法は、スキンシップをとることです。
暴れている子供を抱きしめたりすることは大変かもしれません。
しかし、スキンシップは子供を安心させる働きがあり、そのため気持ちが落ち着きかんしゃくが止まります。
対処法3.子供の気持ちを認める
3つ目は、かんしゃくを起こしている子供の気持ちを親が確認して認めてあげる方法になります。
リピート・クエスチョン・リクエスト法というものです。
まずは、子供のわめいている言葉を復唱(リピート)して聞かせます。
次に、その言葉に対して「どうして?(クエスチョン)」と聞いて一緒に考えるのです。
最終的に、どうしたいのか(リクエスト)を一緒に確認することで、かんしゃくの原因が解消します。
親が復唱してくれたことで子供は親に気持ちが伝わったと思うため、それだけでかんしゃくが止まることも多いです。
これらの3つの対処法で、かんしゃくが止まり気持ちが落ち着いたら子供を褒めてあげましょう。
褒められることで、子供は安心感をもつことができ、かんしゃくを止める方法を子供が自ら学んでいくようになります。
この3つの対処法でかんしゃくを止めて、かんしゃくを起こさないで済む方法を子供が身につけることが出来るのです。
3.かんしゃくを起こしている子供にしてはいけないNG対処

かんしゃくを起こしている子供に、してはいけないNGな対処法を確認しておきましょう。
NG対処法は以下の2つです。
- 子供のかんしゃくに親もかんしゃくを起こす
- その場を取り繕うために物で子供を釣る
1つは、かんしゃくを起こす子供に対して親もかんしゃくを起こして感情的に叱ることです。
子供は混乱してかんしゃくがよりひどくなったり、精神的に不安定な状態を作ってしまうことになります。
もう1つは、親がすぐに折れて物で子どもを釣ろうとすることです。
これでは、かんしゃくを起こせばすべてうまくいくと勘違いしたまま育ってしまいます。
親も親として成長するために我慢したり、感情をコントロールするように気を付けましょう。
4.かんしゃくに悩むなら専門家に相談しよう
かんしゃくは子供の脳の発達によって起きるもので、病気ではありません。
考える力や記憶力の発達がかんしゃくを起こします。
つまり、言葉を話したり、何かを考えて表現することが出来るようになったころからかんしゃくも始まるようになるのです。
そのため、かんしゃくが頻繁に起こるからといって発達障害があるというわけではありません。
しかし、発達障害がある子供にかんしゃくが起こるきっかけが関係している場合があるため注意深く観察する必要もあるのです。
ADHDや自閉症などの発達障害がある子供には、特徴的な次の3つの傾向があります。
傾向1.言葉を話すのが遅い
発達障害がある子供は、言葉に遅れがあったり、身振り手振りなどで状況を伝えることが苦手な傾向があります。
今の状況や自分の気持ちを言葉にして伝えられないことがストレスとなってかんしゃくを起こしてしまうのです。
傾向2.気分転換が出来ない
子供は成長とともにストレスになる原因を避けたり、気分を変えるようなことを行うことでかんしゃくを避けることを覚えます。
しかし、発達障害があると気分転換が出来ないため容易にストレスをためてしまい傾向としてかんしゃくを起こしてしまうことが多いのです。
傾向3.周りの子供に合わせられない
成長とともに、周りの人の意図や気持ちを汲み取って、ある程度譲歩することを学んでいきます。
しかし、発達障害のある子どもは相手の気持ちを汲み取ることが難しいため、相手に対して不快な気持ちを抑えることが難しいという傾向があるのです。
これら3つの傾向に何らかの思い当たることがあるようでしたら、専門家に相談してみましょう。
まとめ
子供の起こすかんしゃくは、知能の発達に心と体が伴わないために起こります。
今回ここで説明した3つの対処法は、状況にあわせて選択したり組み合わせたりすることが出来ます。
- 別のことに注意をそらせて落ち着かせる
- 抱きしめるスキンシップ
- 親が一緒に子供の気持ちを認める
欲求を上手く伝える方法や、感情をコントロールして我慢ができるように親が誘導していくことが大切です。
かんしゃくが起きる前に、気持ちをコントロール出来る強い子供に育てていきましょう。
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