「赤ちゃんにいつまでミルクをあげるべき?」とお悩みですね。
赤ちゃんは産まれてからの食事としてミルクを飲みますが、少なくとも生後10ヶ月まで必要です。
しかし、「どうやって卒乳すればいいの?」と疑問に思っている人も多いはず。
そこで今回は、赤ちゃんのミルクの量や頻度、離乳食に切り替える方法を詳しく説明します。
赤ちゃんのミルクがいつまで必要なのかを知り、徐々に卒乳出来るように意識していきましょう。
目次
1.赤ちゃんのミルクはいつまで必要?
赤ちゃんのミルクは、生後10ヶ月までは必要です。
それ以降ならいつ止めても大丈夫ということになります。
もちろん、無理に止めなくても赤ちゃんが授乳から離乳食へと食事が変化する中で、次第にミルクの量が減ってくることでしょう。
その変化に対応するために、最低でも生後10ヶ月までは母乳や粉ミルクが必要になります。
1-1.夜中の授乳は生後6ヶ月頃まで
夜中の授乳は、赤ちゃんがミルクをたくさん飲めるようになる生後6ヶ月頃までは必要です。
生後6ヶ月までの赤ちゃんは、一回の授乳でミルクをたくさん飲めません。
そのため、お腹が空いて目が覚めてしまい、夜中の授乳が必要になるのです。
たくさん飲めるようになれば、お腹が空かないので赤ちゃんはぐっすり眠ることが出来るでしょう。
1-2. 哺乳瓶の消毒は生後4ヶ月頃まで
哺乳瓶の消毒は少なくとも生後3~4ヶ月まではおこないましょう。
新生児の赤ちゃんは免疫力が低く、細菌に感染して病気が重症化することがあるため、赤ちゃんが口をつける哺乳瓶は消毒をする必要があります。
しかし、生後3~4ヶ月頃になると体内で作りだされる抗体が増えるため、口にものを入れても病気になる確率が下がるのです。
ただし、雑菌が繁殖しやすい梅雨や夏の時期や、赤ちゃんの体調が悪い時は免疫力が下がっているかもしれません。
気候や赤ちゃんの体調に合わせて消毒をしていきましょう。
1-3.授乳後のゲップは生後5~8ヶ月まで
授乳後のゲップは生後5ヶ月~生後8ヶ月までは続けるようにしましょう。
生後3ヶ月頃までの赤ちゃんはミルクを飲むのに慣れていないため、ミルクと一緒に空気も飲み込んでしまします。
さらに、自力でゲップが出来ないため、背中をさすりお腹の空気をだしてあげましょう。
生後5ヶ月~生後8ヶ月になると、体を動かしたりおすわりが出来るようになるので、自力でゲップが出来るようになります。
2.赤ちゃんのミルクに必要な回数

赤ちゃんに一度にあげるミルクの量は月齢によって量も回数も異なります。
母乳の場合は赤ちゃんが欲しがるだけあげても問題ありませんが、粉ミルクの場合はミルク缶に記載された量を守ってあげましょう。
赤ちゃんの未発達な消化器官だと、粉ミルクは栄養が多く消化するのに時間がかかるからです。
最低でも3時間は空けるようにして下さい。
赤ちゃんに必要なミルクの量や回数を月齢ごとに見ていきましょう。
2-1.必要な量
赤ちゃんに一度にあげるミルクの量は、月齢によって量が変わってきます。
産後~入院中は10ml~70mlの間で、1日10mlずつ増やしましょう。
- 退院~生後2週間は、80ml
- 生後2週間~生後1ヶ月は、80ml~120ml
- 生後1ヶ月~生後2ヶ月は、120ml~160ml
- 生後2ヶ月~生後4ヶ月は、200ml
- 生後4ヶ月~生後5ヶ月は、200ml~220ml
離乳食が始まる頃には、200mlに離乳食も追加していきましょう。
2-2.1日に必要な回数
母乳の場合は、赤ちゃんが飲みたい時にあげると良いと言われています。
新生児のうちは2~3時間おきにあげるのが原則です。
粉ミルクの場合は、ミルク缶に表記されている分量を守って飲ませてください。
目安は、以下の通りです。
- 産後~入院中は1日8回
- 退院~生後1ヶ月は1日7回
- 生後1ヶ月~生後2ヶ月は1日6回
- 生後2ヶ月以降は1日5回
離乳食が始まると、ミルクの回数を減らしていきましょう。
- 生後5ヶ月~生後6ヶ月は4日4回+離乳食1回
- 生後6ヶ月~生後9ヶ月は1日3回+離乳食2回
- 生後9ヶ月~生後12ヶ月は1日2回+離乳食3回となります。
上記の回数を目安として、赤ちゃんの必要に応じてミルクをあげていきましょう。
2-3.1回に飲ませる時間
赤ちゃんの授乳時間は、母乳だと片方で5~10分程です。
粉ミルクだと、10分~20分くらいかかります。
この時間はあくまで目安ですので、あまり気負わずに授乳するのが一番でしょう。
月齢関係なくこの時間ですが、月齢が低い頃は飲む量が少ないため時間が短くなります。
月齢があがると飲む量は増えますが、吸う力が強いため早く飲めるようになるのです。
3.ミルクから離乳食に切り替える方法

赤ちゃんの月齢が進み、ミルクだけでなく離乳食や体を動かす事に興味を向けると、ミルクから離乳食への切り替えがスムーズに行えます。
赤ちゃんの成長には個人差がありますが、5つの方法を参考にして焦らずに進めていきましょう。
方法1.ミルクの量と回数を徐々に減らす
離乳食を始めると、離乳食を食べてからミルク飲むという手順であげ、離乳食でお腹いっぱいにしましょう。
生後7~8ヶ月になると、離乳食は1日2回になり、ミルクを離乳食以外の時間にあげることができます。
さらに生後9~11ヶ月になると、離乳食は1日3回になり、ミルクを朝食の4時間前、夕食の4時間後にして離乳食と被らないようにあげましょう。
方法2.哺乳瓶からコップへ切り替える
哺乳瓶からコップを使うようになるには、赤ちゃんが手でコップの取っ手を掴めるようになってから始めます。
段階を踏んで少しずつ始めると慣れてくるでしょう。
まず、生後5~6ヶ月頃の離乳食を始めた時期にスプーンで飲み込む練習をします。
次は、生後7~8ヶ月頃に離乳食をもぐもぐ食べられるようになるので、練習用のマグや小さめのコップなどで一口飲ませてみましょう。
その後、生後9~11ヶ月頃になるとコップで飲む練習をしますが、ストローで飲めるようになってからコップで飲む子もいれば、いきなりコップで飲む子もいます。
離乳食の進行を目安にしつつ、赤ちゃんに合ったペースで親が補助をしながら進めてください。
方法3.他の食べ物に興味を向ける
離乳食が進みだすと、さまざまな食品を与えることができるようになるでしょう。
生後7~8ヶ月頃になると、おかゆや野菜・芋類・白身魚・豆腐の他に、肉類や乳製品、卵も食べられるようになります。
食材をを増やして味覚に刺激を与えていきましょう。
もし離乳食に興味がなくても、成長すれば食べる時期が来ると信じて気長にいればストレスも少なくて済みます。
興味をもって食べられる食材があれば、その食材に似た食感や味をとっ掛かりにして、少しずつ他の食材を与えていくことがおすすめです。
ママが「おいしいね」と声かけをしながら楽しい雰囲気を出し、たくさん食べたら褒めて、赤ちゃんの食べたい気持ちを増やすようにしましょう。
ママがイライラせずに離乳食を進めるのが、赤ちゃんのためにもなります。
方法4.離乳食とミルクの割合を変える
離乳食を食べられる量が増えていけば、お腹がいっぱいになってミルクの量が減ります。
しかし、たくさん食べるのにミルクの量が減らない場合は、20mlずつ減らしましょう。
ミルクを減らし、離乳食を増やしていけば、食べる量は同じになります。
もし嫌がらる場合は無理をせずにミルクを与え、赤ちゃんに合わせて離乳食を増やしてミルクを減らしてください。
方法5.たくさん遊ばせる
大人でも激しい運動や体を動かしたらお腹がすくように、赤ちゃんもたくさん遊ばせれば、お腹がすいて離乳食を食べてくれるようになります。
室内でおもちゃ遊びや読書だけでなく、散歩や公園で体を動かしたり、ママの買い物に一緒にスーパーに行くなどして外に出掛けるのが効果的です。
たくさん遊べばたくさん食べてくれる上、夜は疲れてぐっすり寝てくれるのでいいことだらけでしょう。
4.卒乳のタイミングは人それぞれ

赤ちゃんが10ヶ月~1歳を目処に卒乳をする人が多いですが、いつまでに卒乳をしないといけないということはありません。
赤ちゃんが1歳を過ぎて3回の離乳食で満足している様子を見ると、卒乳を考えるママも多くなります。
しかし、母乳がただ単に栄養を取るだけでなく、親子のスキンシップとしての役割もありますので無理は禁物です。
たとえ1歳を過ぎてミルクをあげても、発育の問題はありません。
赤ちゃんの卒乳したいタイミングに合わせて自然に任せるのがいいでしょう。
5.乳糖不耐症のときのミルクのあげ方

赤ちゃんの食事は主にミルクですが、まれにミルクを飲んで体調を崩すことがあります。
食物アレルギーをイメージするとが多いですが、乳糖不耐症という症状の可能性があります。
いつものようにミルクをあげていたのに、体調が悪くなる乳糖不耐症について詳しく確認していきましょう。
5-1.乳糖不耐症とは
体内では、乳糖という母乳やミルク、牛乳に含まれている糖質を小腸にある酵素のラクターゼが消化吸収しています。
ところが、乳糖が欠乏あるいは減少すると消化吸収せずに腸の中に溜まりおならや腹部膨張、浸透圧性下痢症などをおこすことがあるのです。
これを、乳糖不耐症といいます。
乳糖不耐症の原因は2つ考えられます。
- 乳糖不耐症は遺伝的にラクターゼが少ない
- ウイルスや細菌によって急性胃腸炎にかかったことでラクターゼの働きが鈍くなっている
乳糖不耐症の場合、乳糖がないミルクは飲めますが、食物アレルギーの場合は乳糖がなくてもミルクを飲めません。
ミルクを飲んで、おなら・お腹の膨らみ・お腹けいれん・下痢が続くといった症状が出たら、自己判断をせずに必ず医師の診察を受けましょう。
5-2.乳糖不耐症のときのミルクのあげ方
授乳する時は、乳糖が含まれる母乳や通常の粉ミルクをあげる代わりに、無乳糖のミルクに切り替えます。
なぜなら、赤ちゃんの下痢は体重増加に影響するため、乳糖の摂取を避けることで症状を改善し、体重を増やしていく必要があるからです。
無乳糖のミルクに切り替えてから下痢などお腹の症状を確認し、2週間くらいかけて通常のミルクを与えていきます。
くれぐれも自己判断せず、医師に相談して治療を進めましょう。
まとめ
赤ちゃんのミルクは10ヶ月頃から1歳頃まで必要です。
ただ、赤ちゃんの授乳はいつまでに終わらせるのか、何ヶ月まで必要かなどの決まったルールはありません。
赤ちゃんがどれだけミルクを飲むのかや何回必要か、離乳食の進み具合を見ながら、赤ちゃんの成長に合わせて卒乳をしていきましょう。
いつかは卒乳する時期がきっと来ます。
それまでは母と子の大切なコミュニケーションの時間をたっぷり楽しみましょう。
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