子どもに家庭教師をつけたいけどどこの会社に頼めば良いかよくわからない。
個人契約が良いって耳にしたけれど、具体的にどうすればよいかわからない。
この記事では家庭教師歴7年の筆者が、そんな風にお悩みの方に向けて、家庭教師を個人で契約する方法をご案内します。
また「個人契約で家庭教師の仕事をしてみたい」という学生さんなどの先生も参考にしていただけますよ。
目次
1.家庭教師を個人契約するメリット

家庭教師を契約する上で、会社を通さずに直接契約することは、生徒側・家庭教師の先生側の両方にメリットがあります。
家庭教師歴7年の私が、実際に感じている個人契約のメリットをご紹介していきます。
家庭教師を個人契約するメリットを(1)生徒側のメリット, (2)先生側のメリット の順番で説明していきます。
1–1.生徒側のメリット
まずは、生徒側のメリットです。
- 料金が安い
- 先生を直接選べる
- 授業の融通が効きやすい
詳しく見ていきましょう。
メリット1.料金が安い
家庭教師を個人契約した場合は、家庭教師の会社を通すよりも料金が30%~40%ほど安くなります!
なぜなら、家庭教師の会社を通す場合には、先生の指導料に加えて、管理費・教材代などもかかってきます。
家庭教師を個人契約すると、これらの費用は支払う必要がないので料金は先生に渡す指導料だけ。
では、中学3年生(週1回90分)で家庭教師の先生をお願いする場合の料金例で比較しましょう。
個人契約の場合 | 業者を通す場合 | |
指導料金 |
15,000円 (2,500円 × 6時間) |
10,500円 (1,750円 × 6時間) |
管理費 | 0円 | 9,800円 |
教材費 | 0円 | 3,000円(1,000円×3教科) |
合計 | 15,000円 | 23,300円 |
個人契約では、月額15,000円ほどで授業を受けることが出来ます。
対して大手の家庭教師業者はというと、およそ月額23,300円。
比べてみるとかなりお得なのがわかりますね!
大手の家庭教師業者は、指導料に比べて管理費や教材費が加算されてしまうので月に2万円~3万円になってしまいます。
また、個人契約なら入会金や解約金もかからないこともポイントです。
毎月の費用と初期費用が圧倒的に安く済むのが、個人契約の大きなメリットと言えます。
メリット2.先生を直接選べる
個人契約なら、家庭教師の先生のプロフィール紹介や実績を見て直接選ぶことができます。
「え、それって当たり前じゃないの?」
と思われる人も多いかもしれません。
しかし、家庭教師会社を通す場合には、先生を自分で選ぶことはほとんど不可能です。
というのも、家庭教師の会社と契約すると、その会社が選んだ先生が派遣されてくる場合がほとんど。
つまり、複数の先生候補の中から、自分で先生を選ぶシステムではないのです。
個人的な意見になりますが、家庭教師会社の中には、「あなたの子供にピッタリな先生を選びます!」と宣伝していますが、ほとんどがウソです。
実際は、ほとんどの会社は、エリアと曜日の都合が合った先生を派遣しているだけで、先生への厳正な審査を行っている訳ではありません。(もちろん、プロの家庭教師に厳選している「質の高い家庭教師の会社」もあります。)
この実情も踏まえて、個人契約なら自分の目で先生を確かめて選べることも大きなメリットでしょう。
「苦手な分野を克服したい」「伸ばしたい教科がある」といったプランを実現するために、それに合った先生を選ぶことが大事です。
メリット3.授業の融通が効きやすい
個人契約の先生なら、連絡が気軽に取れるので、授業の融通も効きやすいです。
「部活が延長して、授業時間に間に合わない」という場合でも、個人契約の先生ならLINEやメールの連絡で予定の変更が可能。さらには、「テスト前だから授業時間を延ばして欲しい!」というお願いも気軽にできます。
もし、家庭教師会社を通していると、授業時間の変更などは会社側にも連絡が必要になります。
こういった手間がかからないことも、個人契約のメリットです。
1–2.家庭教師の先生側のメリット
個人契約は、先生側のメリットもたくさんあります。
- 時給が高い
- 自分の授業スタイルで指導できる
- 家庭教師会社への報告が不要
こちらも、詳しくみていきましょう。
メリット1.時給が高い
個人契約の方が、高い時給で生徒を教えることができます。
家庭教師の会社を通す場合には、時給の相場は、1,700円~2,300円くらい。
しかし、個人契約の場合は、時給2,000円から2,500円くらいが相場なので、だいたい時給500円くらい高いです。
大手家庭教師業者は、多くの講師を管理するマネジメント費用やCMなどの広告費をまかなうためにマージンをとっています。
この仲介の手数料を取られることがないので、個人契約では高いお給料をもらうことができます!
さらに、自分の学歴や指導経験をうまくアピールできれば、さらに時給を高く設定することも十分にできます。定期テストの結果や受験の結果に応じたインセンティブ契約も約束できると、やる気にもつながりますね。
メリット2.自分の授業スタイルで指導できる
個人契約なら、これまで自分が行ってきた勉強方法をもとにして、生徒に指導ができます。
家庭教師の会社によっては、教材が決まっていたり、指導方法に制約がある場合があります。
個人契約の場合は、自分が受験した時に使っていたテキストを使って指導することができます。
自分の経験を基本にして、生徒にピッタリの学習方法を自由に選択することができると、かなり指導もやりやすいです。
もちろん、個人契約する際に、こんな風に指導していくという方針を保護者の方にも見せておく必要があります。
メリット3.家庭教師会社への報告が不要
個人契約の場合は、保護者だけに授業報告をすれば大丈夫です。
普通に家庭教師をやっていると、生徒の保護者だけでなく、家庭教師の会社に指導報告をしなければなりません。
意外とこの報告作業が面倒だったりします。
個人契約だと、保護者の人としっかりとコミュニケーションをとって報告していれば良いので、そういった面では毎月の負担が少ないと言えるでしょう。
2.【生徒編】家庭教師を個人契約するときの流れ

ここからは、生徒側の視点にたって、個人契約で家庭教師を依頼する流れを確認していきます。
大きく分けて、個人契約までの流れは、以下の3つのステップに分けられます。
STEP2.体験授業をする
STEP3.契約を結ぶ
順番に見ていきましょう。
STEP1.家庭教師の先生を探そう!
まずは、個人契約してもらえる家庭教師の先生を探しましょう。
家庭教師の個人契約の場合は、知り合いから紹介してもらうパターンが多いです。
でも、紹介で先生を選ぶのはおすすめしません。なぜなら、先生と子どもの相性が悪くても、知り合いからの紹介だとなかなか断れないからです。
先生を探すなら、紹介ではなく、家庭教師の掲示板を使うことがおすすめです!
(1)まずは家庭教師の掲示板を利用しよう
家庭教師の個人契約をするには、まずは家庭教師の掲示板で募集をしましょう。
家庭教師の掲示板とは、家庭教師を募集する生徒と家庭教師の先生が出会うためのサイトです。
基本的には、生徒が「地域・指導科目・料金」などの条件で先生を募集して、それに対してその掲示板に登録している先生が応募するという形式です。
募集する際には費用がかかりません。もちろん、先生からの応募があっても、条件に合わなければ断ることも可能です。
◇オススメの掲示板


上記の2つが大手の個人契約の掲示板です。
サイトのつくりは少~し古いですが、頻繁に更新されているので実際にマッチングする率も高そうです。
(2)先生が見つからないときは?: 別の方法で探してみよう!
どうしても見つからないときは近所できいてみる、大学に問い合わせてみるなどの掲示板とは別ルートで先生を探す方法もあります。
ただし、近所できく場合は紹介された人をお断りしにくいという難点が。
また大学に問い合わせる場合も、遠方の学生さんに家庭教師をお願いする場合はその分の交通費も支払う必要があるので、すこし予算が高くなってしまうかもしれません。
しかし、それでも大手家庭教師にお願いするよりかは費用をグンと抑えることができるのは間違いありません。
STEP2.体験授業を受けよう
先生に目星がついたら体験授業をお願いしましょう。
生徒であるお子さんにとっても、先生にとっても、そして親御さんにとっても体験授業は必要です。
お互いに空気感を共有することで向き不向きを見極めるチャンスです。
大手の家庭教師でも体験授業は行っています。塾なんかも体験入学と称して1コマだけ受講する場合がありますよね。
注意点:確認するべきポイント
・体験授業の場合でも交通費や授業料はお支払いしましょう。この場合の授業料は通常の金額の7~8割を渡すのが相場です。
・子どもであってもその場で「この先生は嫌だ」とはなかなか言いづらいものです。その場で契約を結ばず、一度落ち着いて子供の意見にも耳を傾けてあげましょう。しっかりと意見交換をしたうえで決定しましょう。
STEP3.契約を結ぼう
先生が決まり、子どもも納得していれば、次はいよいよ契約です。大手家庭教師や塾であれば、業者側が契約書類を提示してくれます。しかし個人契約の場合はこちらで契約書を作る必要があります。
もちろん先生側が契約書を用意してくれるケースもありますが、大抵の場合は学生さんなのであまり期待しないほうがよいでしょう。
「契約書」と耳にすると難しそうで気がひけるかもしれませんが、ポイントさえ抑えておけば簡単ですよ!
週に〇回、月に〇回、時給〇円、支払いのタイミングなどを明記することは重要です。
ですがそれ以外にも次のようなことを決めておくと良いでしょう。
- 目標を決めておく
- 報告形式は決めておく
- 定期テスト前や夏休みについても確認
- 解約時の条件を決めておく
目標を決めておく
テストで80点を獲る、赤点を回避する、クラスで5位以内に入る、など数値化できる具体的な目標を立てましょう。生徒のお子さんにとっても、先生にとっても重要なことです。
これらを達成できた時のインセンティブの追加報酬などを設定しておいても良いでしょう。
報告形式は決めておく
週に1度あるいは月に1度など、口頭や書面でやったことのレポートをもらうようにしておくとお互いにトラブルが起きにくいです!
定期テスト前や夏休みについても確認しておく
大切な定期テスト前には必ず授業をしてもらえるようにお願いしましょう。
先生が大学生の場合は、先生もテストに追われている可能性が。
個人契約の場合は「交代」ができないので、テスト前の対策についてはしっかりと話し合ったうえで契約書に文字で残しておくことをおすすめします。
解約時の条件を決めておく
「1か月前までに通知」などの解約時の条件を明記しておく必要があります。
実際にトラブルになりやすい所ですので、しっかりと話し合っておきましょう。
3. 先生探しのポイント
家庭教師で個人契約する場合には、先生探しは妥協してはいけません!
なぜなら、一度先生と契約すると、なかなか交代しにくいからです。
『子どもの受験が終わるまで、ずっとお願いしたい!』という先生に出会えるように、先生募集のためのポイントをしっかりとおさえましょう。
先生の募集には、以下の点を明確しておきましょう。
①先生に希望すること(受験なら志望校)
「定期テストの成績をもっとあげたい」「苦手な数学を克服したい」「赤点をなくしたい」など、お子さんによって目標はそれぞれ違うはずです。
こうした個別の悩みや課題は先生にもしっかりと事前にお伝えしておきましょう。
個人契約のメリットはこのような悩みや課題を募集の段階で伝えられることです。
受験であればどのレベルの学校を目指していて、最低でもどのレベルに合格したいのか、ということを具体的に伝えておくと良いでしょう。
また、大学受験の場合は志望校に通う学生さんが良いでしょう。
受験するお子さんに必要な知識と経験をもった学生は他でもない志望校の学生さんです。
いまの大学の雰囲気や情報なんかも知ることができますよ。
②自分の子どもの特徴
自分の子どもがどんな性格なのかお伝えしておくとスムーズです!
放っておいてもあるていど勉強するタイプなのか、しっかりつきっきりで面倒を見てあげないとダメなタイプなのか、褒められて伸びるタイプなのか、厳しくして詰め込むタイプなのか。
そうした性格面での特徴も書いておくとよいと思います。
どんな部活に入っているか、というような他愛のない情報でも無いよりはあったほうがその子の性格やキャラクターが見えやすいです。
③求める先生像
フランクに接してほしいのか、厳しく指導してほしいかなど先生に期待している指導の雰囲気を伝えておきましょう。こうした面は大手の家庭教師サービスでは中々指定しにくい部分なので、個人契約のメリットのひとつです。
男性がよいか、女性がよいかというお子さんの希望なども反映させてあげてください。
また、掲示板によっては、登録している先生に直接依頼を出すことも可能です。登録している先生を確認して、『この先生が良さそうだ!』と思ったら、ピンポイントでお願いしてみても良いでしょう。
生徒編 まとめ
家庭教師は納得いくまで探しましょう。お互いの合意があれば長く付き合うことができるのが大手にはない個人契約の大きなメリットです。
お子さんにあった先生を見つけて長期的な指導をお願いしましょう。
3.【先生編】家庭教師を個人契約するときの流れ

この項では先生のあなたが家庭教師を個人契約する際に踏むべき内容をお伝えします。
STEP1.生徒を募集する
STEP2.体験授業をする
STEP3.契約をする
の順番でお伝えしていきます。
STEP1.生徒を募集する
(1)まずは家庭教師の掲示板を利用しよう
→登録するまでは無料 複数の掲示版で登録
・家庭教師の個人契約をする掲示板 5選
(2)家庭教師を登録するときの3つのポイント
値段や時間といった条件はもちろんですが、その他にもアピールポイントや自分の専門を書いておきましょう!
(3)生徒決定までの流れ
どうしても見つからない場合は家庭教師の会社に登録しましょう。
この場合、会社に斡旋してもらったご家庭との間に個人契約を結びたいと考える方も少なくないかもしれません。しかし、斡旋された生徒との個人契約は規則違反になる可能性があります。このあたりも会社との契約書等をよく確認して慎重におこないましょう。
STEP2.体験授業をしよう
まずは最初に体験授業をしましょう。
保護者や生徒本人との個人的な相性を見極める大切なステップです。
体験授業をせずに即契約しても、後々になって破談してしまえば意味がありません。
自分がしっかりとした講師である実力を示しながら、自分がその子に合っているか、その子が自分に合っているかを見極めましょう。
気をつける点 確認するべきポイントは以下の3点
・生徒はどんな性格か?
・保護者はどんな性格か?
・どのような姿勢で指導するべきか?
このあたりをしっかりと確認しておきましょう。
確認したうえで「ちょっと指導が難しいな」, 「性格が難しいな」と思った場合はさらに報酬の上限をしたり、正直にお断りするようにしましょう。
個人契約の場合は、途中で契約を解消するのが難しいです。
仲介の業者が居ないため実際に直接申し出なければいけませんが、付き合いが始まるとなかなか言い出せないものです。
自分の気持ちやスキルに正直に相手を選ぶように心掛けてください。
STEP3.契約を結ぼう
生徒さんを見つけることが出来れば、次はいよいよ契約です。
大手家庭教師や塾であれば、業者側が契約書類を提示してくれます。
しかし個人契約の場合はこちらで契約書を作る必要があります。
「契約書」と耳にすると難しそうで気がひけるかもしれませんが、ポイントさえ抑えておけば簡単ですよ!
週に〇回、月に〇回、時給〇円、支払いのタイミングなどを明記することは重要です。
ですがそれ以外にも次のようなことを決めておくと良いでしょう。
- 目標を決めておく
- 報告形式は決めておく
- 定期テスト前や夏休みについても確認
- 解約時
目標を決めておく
テストで80点を獲る、赤点を回避する、クラスで5位以内に入る、など数値化できる具体的な目標を立てましょう。生徒のお子さんにとっても、先生にとっても重要なことです。
これらを達成できた時のインセンティブの追加報酬などを設定しておいても良いでしょう。
契約時に具体的な提案ができると、先生の信用にも繋がります!
報告形式は決めておく
週に1度あるいは月に1度など、口頭や書面でやったことのレポートをもらうようにしておくとお互いにトラブルが起きにくいです。
定期テスト前や夏休みについても確認しておく
「定期テスト前だから」という理由でいつもより多めに入って欲しいとリクエストされるお子さんや親御さんもいらっしゃいます。
ですが、あなたがもし大学生であればあなたにも受けるべきテストがありますよね?
なので、そうした場合に対応できる範囲をあらかじめお伝えしておきましょう。
個人契約の場合は「交代」ができないので、テスト前の対策についてはしっかりと話し合ったうえで契約書に文字で残しておくことをおすすめします。
解約時
「1か月前までに通知」などの解約時の条件を明記しておく必要があります。
実際にトラブルになりやすい所ですので、しっかりと話し合っておきましょう。
先生編 まとめ
色々と融通が効くのが個人契約の家庭教師のメリット。もちろん慣れてくれば掛け持ちだって可能です。掲示板などのサービスを最大限利用して自分を上手にPRして生徒さんをゲットしましょう。
個人契約は自由度の高い分、それに伴う責任も大きいです。成績があがらない、志望校に合格しなかった――なんて場合に問われる責任も重大。きちんと指導してあげてくださいね。
4. まとめ

個人契約の家庭教師に関する情報を生徒視点、先生視点の両面からお伝えしてきました。個人契約の家庭教師は、大手の家庭教師に比べて以下のよなメリットがあります。
・生徒は費用が安く、先生は報酬が高額(時給¥2,000~¥2,500)
・お互いに時間の融通が効く
デメリットは契約するまでが少しわずらわしいこと。
自由度の高い分、生徒, 先生のマッチングまで時間がかかったり契約書を自分たちで作っていかないといけないという手間が伴います。
しかし、これらもやらなければいけないことと、注意点をしっかりと踏まえていれば問題なく乗り越えられるハードルです。
みなさんはじめは「知らない」だけ。
知ってしまえば難しいことはありません。
特に先生の場合は一度個人契約を経験してしまえば、あとは同じ要領で様々な生徒を個人契約で教えることが出来ますよ。
少しの手間がかかりますが、その手間に対して受けられるメリットも大きいです。是非参考にしてください。
最近のコメント