eラーニング研究所によると、子どもにさせたい習い事で「プログラミング教室」が上昇しているといわれています。(参考:PR TIMES)
社会で生き抜くためにもプログラミング的思考力や行動力は必要不可欠なものになっていると言えます。
しかしプログラミングを学習する方法や、子どもが飽きずに積極的に学ぶ方法はあるのでしょうか。
ここではプログラミングの学習方法や子どもに学習を続けさせる3つのコツをお伝えします。
無限に広がる子どもの力を伸ばすためにも、子どもに合った学習方法でプログラミングを学びましょう。
目次
子供でもプログラミングコードを学習すべき?

プログラミングと聞くと難しいコード入力をイメージするかもしれませんが、小学生はプログラミングコードを学ぶことは求められていません。
プログラミング教育の目的は、「論理的思考力」を育むこと、そして目的を達成させるための「創造力」を広げることです。
この2つの目的を達成させる手段はパソコン上だけのことではありません。
そのための手段としてプログラミングを活用するのがプログラミング教育です。
プログラミング教育を通して、「ロボットを作りたい」「ゲームを作りたい」といったやりたい事を目的を見出して、積極的にプログラミングを学ぶ子ども達も多くいます。
このように積極的に子ども自らが進んで、学びの場を広げるのは大変素晴らしいこと。
ただあくまで、小学校のプログラミング教育はプログラミングが出来ることが目的ではないことに注意しましょう。
実際、文科省では小学校のプログラミング教育の目的について次のように発表しています。
プログラミング教育を通じて、自動がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技術を習得することは考えられるが、それ自体を、ねらいとはしない。
この内容から小学校では、難しいコードを学んだりテストを行うことはないとされています。
進め方は学校に委ねられているため、一概には言えませんが、小学生のうちは大きな心配をするような難しい授業はないと言えるでしょう。
幼児から始められるプログラミングの学習方法

小学生からプログラミングを学習すると聞くと、子供がきちんと理解できるのか心配になりますよね。
しかし海外では幼少期からプログラミングに触れることを推奨されており、すでに教育現場で取り入れられているので、日本は少し遅れているといえるでしょう。
とはいえ今から子どもにプログラミング教育を始めさせたくても、具体的に何をしたらいいわかりませんよね。
そこで、幼児からでも始められるプログラミングの学習方法を4つ紹介します。
方法1.知育玩具
方法2.学習アプリ
方法3.学習サイト
方法4.プログラミング教室
プログラミングはこれからのデジタル化社会において大切な学びとなるので、小さな頃から積極的に家庭でも取り組んでみてください。
方法1.知育玩具
プログラミングに触れる第一歩としておすすめしたいのが知育玩具。
その理由はおもちゃだから興味を持ちやすく、遊びながら学べるためです。
プログラミングが何か分からなくても、「見て・触れて・作る・動かす」といった直感的な動作によって、身に付けるのが知育玩具の魅力です。
能力を発揮すると言われているゴールデンエイジ期(3歳~13歳)に、プログラミング思考に触れることで、将来の成長をより期待できるでしょう。
ただプログラミング知育玩具は高価なものばかりなのがデメリットです。
そこでピックアップした知育玩具はどれも安くはありませんが、プログラミングの基本である「行動の組み立て」がしっかり身に付くもの、人気のメーカーであったり安全性が確かなものを厳選しています。
また、0歳児・幼児・小学生それぞれの年齢に合ったもの3つピックアップしました。
プログラミング知育玩具を知るきっかけとして参考にしてください。
- クミータ
- Osmo Coding Awbie Game
- LEGOマインドストーム
(1)クミータ

「KUMIITA(クミータ)」は、指示が描かれたパネルを並べて、「クミータ」というキャラクターを動かす玩具。
KUMIITAはさまざなシリーズがありますが、その中でも「ミニスターターセット(本体+パネル20枚)」はプログラミング教育を始めるのにおすすめです。
磁石内臓のパネルなので、小さな子どもでも簡単につなげやすく、お口に入れても安全な素材なので0歳(7カ月)の赤ちゃんから対象となっています。
カラフルなパネルの中には、「動物の鳴き声」や「楽器の音」も入っているので、その上をKUMITAが通るたびに音が鳴る、キラキラ光るといった視覚的にも楽しめる内容です。
「スターターセット(本体+パネル40枚)55,000円」より入手しやすく35,750円で、オプション追加も用意されていることから検討する価値はあると言えるでしょう。
(2)Osmo Coding Awbie Game

「Coding Awbie(コーディングアウビー)」は、命令ブロックとタブレットを連携させてプログラミングが学べるデジタル知育玩具。
命令や数字ブロックを組み立ててボタンを実行させることで、画面の中のキャラクター「Awbie」が冒険のゴールを目指します。

プログラミング思考の基本が、命令ブロックを並べることで身に付き、ゴールを目指すことで、問題解決思考も同時に養うことができます。
幼児でもわかりやすい絵表示の行動ブロックなので、文字が読めなくても直感的に理解しやすいのも魅力。
画面の中のキャラクターが、思いのままに動かせた時の嬉しさは大きいでしょう。
ただ対象機種がiPadまたはfireと限られています。
しかし、画面上ではなく手元で命令ブロックを組み立てられる玩具はほかに類がありません。
世界42カ国で親しまれるOsmoシリーズは、知育玩具を集めた「Innovative Toy of the Year」のファイナリスト、革新的企業向けの「Most Innovative Companies」の受賞歴を持つことから、Coding Awbieは実績あるプログラミング知育玩具と言えるでしょう。
(3)LEGOマインドストーム

LEGOマインドストームは、LEGOを使ったロボットプログラミングができる玩具。
レゴブロックと各種モータでロボットを組み立て、専用アプリでプログラミングして遊びます。
レゴブロックで自分の好きなロボットを組み立てるという創造力と、それをどう動かしたいかプログラミングするという論理的思考力、2つの力を同時に育てることができます。
ロボットを一から作っていくので、ロボットが完成した時の喜びや、実際に動かすことができると、子どもにとって大きな達成感が得られるでしょう。
ただし価格が約7万円と高額なのが難点。
しかしその分、本格的なロボットプログラミングを最初から始めることができます。
実際いくつものプログラミング教室で採用されていることから、マインドストームがロボットプログラミング教材として評判があると言えます。
方法2.学習アプリ
プログラミングを学びたいと思ったとき、数多くのアプリは自分の好みやレベルに合わせて選べ、無料で使えるものが多いのが特徴です。
小学生以上の子どもだけではなく、幼児向けのシンプルかつ楽しいアプリがたくさん見つけることができます。
タブレット端末やスマホにダウンロードすれば場所を選ばず利用できるところもアプリの魅力です。
ここでは、プログラミングが学べる人気の定番アプリ3つをご紹介いたします。
- スクラッチJr
- プログラミングゼミ
- Lightbot:Code Hour(ライトボットコードアワー)
(1)スクラッチJr

「Scratch(スクラッチ )Jr」とは、「Scratch(スクラッチ)」というプログラミング学習サイトの簡易アプリ版です。
スクラッチとは、マサチューセッツ工科大学が開発し、世界で最も利用されているプログラミングの学習サイト。
視覚的に操作できる「ビジュアルプログラミング」の基本的な内容が詰まっていて、初めての子でもプログラミング感覚を学ぶことができます。
行動指示のブロックを組み立てるという基本的操作とネコのキャラクターを動かす点はスクラッチと同じですが、全てひらがな表記になっているところがScratch Jrならではの特徴です。
ゲームを作ることもできますが、「スクラッチ」のように、より作り込まれたゲームを作ることはできません。
しかし、「写真を追加する」「声や音を追加する」という機能で、遊ぶことができるのはタブレット版のメリットでしょう。
対象年齢も3歳程度の小さな子どもから利用できるので、早いうちからプログラミング教育に触れることができるのもおすすめできる点です。
(2)プログラミングゼミ

「プログラミングゼミ」は、小学校教師の意見を元に作られたプログラミング学習アプリ。
ビジュアルプログラミングのブロック組み立てをいぬ・ねこ・ドラゴンといった7種のキャラクターをつかい、ヒントをもらいながら進めます。
全てひらがなで解説されているので、小さい子供でも扱いやすく、作品を共有できるところも、たくさんの人から選ばれる理由のひとつ。
子どもに早いうちからプログラミングを始めさせたい時におすすめできます。
複数アカウントが作成できるので兄弟でもご利用ください。
(3)Lightbot:Code Hour(ライトボットコードアワー)

ブロックを積み上げてロボットを動かしていく「Lightbot : Code Hour」というアプリは、プログラミングに限らずパズル要素も詰まった新感覚ゲームです。
英語表記なため分かりにくさがありますが、チュートリアルでは指の絵がつねに押すボタンを誘導するので、さほど迷うことはないでしょう。
英語にも触れる機会としては、プログラミングと合わせて覚えられるので最適です。
方法3.学習サイト
教育現場でも採用されているのがプログラミング学習サイトです。
世界中の学校でも取り入れられているものや、無料で使えるものが多いので、利用しない手はないでしょう。
その中でも特にに知名度が高く、実際に、日本の教育現場でも活用されているプログラミング学習サイトをご紹介いたします。
- Scratch(スクラッチ)
- Code Monkey(コードモンキー)
- Hour of Code(アワーオブコード)
(1)Scratch(スクラッチ)

「Scratch(スクラッチ)」は最も有名なプログラミング学習サイトで、先ほど学習アプリでご紹介した「ScratchJr」のパソコン版です。
NHK教育番組「スクラッチをはじめよう」の放送を見て、興味を持っている人もいるのではないでしょうか。
アプリ版「ScratchJr」との大きな違いは、命令ブロックに漢字がつかわれていたり、座標の数が-200~200までとなっているため、多彩な動きが可能になる点です。
ブロックを積み上げてキャラクターを動かすだけではなく、パソコン版では作品を共有することができるのが最大の魅力です。
みんなが作ったゲームで遊びながら、「これはどうやって作ったの?」と気になった時や、仕組みに興味を持ったら、作品の中身も見ることができます。
世界中の子どもたちの作品を参考にすることで、より深くプログラミングを学ぶことができますよ。
(2)Code Monkey(コードモンキー)

「CodeMonkey(コードモンキー)」は簡単なコードを行い、サルをバナナの所へ動かしてクリアさせてプログラミングを学びます。
「CoffeeScript」というプログラミング言語を採用しているのが特徴。
専門的な言葉を使うことが少なく、なじみのある言葉を使って、プログラミングできるので初めてテキストを打ち込んでプログラミングする人には打って付け。
対象年齢は12歳と高く設定されていますが、文字入力ができればクリアできる内容です。
ただし無料で利用できるのは30ステージのみとなり、その後は年間有料ライセンス(3,300円~)が必要になります。
とは言え、30ステージ分たっぷり試すことができるので、コーディングに触れてみたい人にはおすすめです。
(3)Hour of Code(アワーオブコード)

世界180か国で活用されている「Hour of Code」では、「アプリの作成」「ゲームの作成」といった楽しい目的に向かってプログラミングが学べるWebサイト。
チュートリアルで大人気のゲーム「マインクラフト」や「ディズニー」を選択できるので、プログラミングに興味を持たせる第一歩として相応しいでしょう。
初心者向けのビジュアルプログラミングもそろっていますが、レベルアップしたい子どもには、実際の仕事でも使われる本格的なプログラミング言語も取り入れることが可能。
これ1つで自然に、上級プログラミングまで学べる環境が整っているため、ずっと長く使い続けられる学習サイトです。
方法4.プログラミング教室
パソコンやタブレットなどで、学ぶこともできますが、プログラミング教室や講座で教わることもできます。
「プログラミング教室へ通うメリットがわからない」と感じる方も多いでしょうけど、最新のテクノロジーに触れながら着実にステップアップを目指せるのが魅力です。
教材やソフトを用意してもらえるので、保護者としても安心できる場になるのではないでしょうか。
では、評判の高い人気のプログラミング教室を3つご紹介していきます。
- ヒューマンアカデミーロボット教室
- LITALICOワンダー
- Tech Kids School
(1)ヒューマンアカデミーロボット教室

「ヒューマンアカデミーロボット教室」は、プログラミング教室として国内シェアナンバー1。
未就学児から中学生まで幅広い年齢層に対応し、「ロボットを作る・動かす」という明確な目的を持つことで、子どもが夢中になることができるカリキュラムが魅力的なポイント。
高度なロボット製作やプログラム開発が学べる「ミドルコース」や「アドバンスコース」の上級コースも用意されているので、子どものやる気をとことん活かすことができます。
体験教室も行われているので、気になる方は1度お試しください。
入会金:10,000円
月額費用:9,000円~(別途ロボット代、テキスト代)
体験教室:あり
(2)LITALICOワンダー

東京・神奈川県に教室を構える「LITACOワンダー」では、年長から高校生を対象にした「ゲーム・アプリプログラミング/エキスパート」、LEGOやScratchを教材にした「ロボットクリエイト/エキスパート」コースが用意されています。
さらに「デジタルファブリケーションコース」では、「3Dプリンタ」「レーザーカッター」といった特殊な電子工作を行うなど子どもの能力や個性に合ったコースが選べます。
とことんデジタル機器にのめり込みたい、スキルアップを図りたい子どもにおすすめです。
入会金:15,000円
月額費用:12,000円~(別途費用あり)
体験教室:あり
(3)Tech Kids School

「Tech Kids School」は、IT企業「サイバーエージェント」運営のプログラミング教室です。
小学生を対象に、実践的なプログラミング言語(Swift/C#)を学ぶことで、スマートフォンアプリを制作したり、プレゼンテーションを行うなど、大人顔負けのカリキュラムが詰まっています。
教室に通うことができない人のために、「オンラインコースQUREO」も用意されているので、利用環境が整っている家庭であれば、全国どこでもプログラミング学習ができるのが特徴です。
月額費用(長期コース):19,000円~(別途費用あり)、オンラインコース(QUREO)2,500円~
体験教室:あり
子供にプログラミング学習を継続させるコツ

「親としてできることをしたい」とは言っても、プログラミング学習は他教科とは要領が違い、プログラミング初心者の保護者であれば、迷いも生じてしまうことも無理はありません。
では、プログラミングに興味を持った子どもにはどう接するべきでしょうか?
ここでは、プログラミング学習を継続させるコツを3つご紹介いたします。
コツ1.楽しさを伝える
コツ2.達成感を味わわせる
コツ3.どんな作品を作りたいか想像力を膨らませてあげる
コツ1.楽しさを伝える
プログラミングの第一歩には、ぜひ子どもが「楽しい!」と思えそうなものを選びましょう。
教育現場で取り入れられている「Scratch」を例にあげても、ゲーム感覚で遊びながら学べる内容になっています。
家庭で始めるときにも、いきなりコードを学習する必要はありません。
手軽なプログラミングアプリから触れてみることもおすすめです。
コツ2.達成感を味わわせる
自分の思い通りに動かせたという達成感を得ることが、プログラミングの理解を深める大事なポイント。
「ゴールするのはどうすべきか」を考えることが、プログラミング思考を鍛え、創造力や発想力も広げる良い機会になります。
「歩く」「曲がる」といった、一見簡単な動きをプログラミングさせるだけでも、子どもにとっては大きな成功体験になります。
ロボット知育玩具であれば、自分でロボットを組み立てて動かすことで、まるで命を吹き込んだかのような気持ちをも生むことでしょう。
コツ3.どんな作品を作りたいか想像力を膨らませてあげる
プログラミングはただパソコンに向かっているでだけでは、「やらされてる感」が生まれてしまうので、子ども本人がのめり込める何かを見つけてみましょう。
ロボットを作って動かす、ゲームを作成する、アプリを作るなどの目的を持つことで思わぬ能力を発揮する子どもも多いです。
ひとりでは上手くいかないのであれば、プログラミング教室やWeb教室を利用することで適切なアドバイスが受けられるのでこちらも検討してみてください。
まとめ
プログラミング学習は、いつでも始められる環境が整っています。
アプリや学習サイトは、どれも無料ではじめられるので、ぜひご家庭でプログラミングに触れてみてください。
子ども自ら「これやってみたい」というやる気を引き出し、学びの場を増やしてあげましょう。
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