昨今、ニュースにも取り上げられるSTEM教育についてお調べですね?
STEM(ステム)教育とは、コンピューターを使って世の中の様々な問題を解決する知識や能力を教え育てることです。
2020年には、STEM教育のベースともなるプログラミングの授業が小学校に導入されることが決まっています。
しかし、具体的にどのような勉強をするのか不安に思う人も多いはずです。
そこで今回は、STEM教育がこれまでの教育とどう違いどんなメリットがあるのかや、スマホなどで簡単に親子で学べるプログラミングについて紹介します。
STEM教育を理解して、お子さんが将来必要になる能力を最大限引き出しましょう。
目次
1.STEM教育とは?STEM教育の3つのメリット

STEM教育とは、コンピューターを使って世の中の様々な問題を解決する知識や能力を学ぶための教育です。
STEM教育のSTEMとは、Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Mathematics=数学の頭文字をとった造語です。
Science(科学) | 医学や天文学、生物学など様々な自然現象 |
Technology(技術) | インターネットやロボットなどのハイテク分野 |
Engeneering(工学) | ものづくり |
Mathmatics(数学) | ものの大きさをはかる計測のための計算や空間を把握するために必要な計算など |
STEM教育では、これらの4つの学問・能力を身につけIT社会やグローバル社会に適応した人材を育てる教育システムになります。
科学の部分を特に環境(environment)に特化させたeSTEMや、芸術(Art)やデザインを取り入れたSTEAMなどの応用もあります。
STEM教育を学ぶことには、3つのメリットがあります。
メリット1.すべての子供にテクノロジーに触れる機会
義務教育でSTEM教育を学ぶということは、すべての子供にテクノロジーに触れる機会があるということです。
近年、小さい頃からスマートフォンやタブレットに慣れている子供は多くなっています。
STEM教育では小学校に入るすべての子供たちがタブレットの使い方に慣れ、ロボットに命令を出して操ることを学びます。
メリット2.自発的に学ぶ力を身につける
STEM教育によって、子供たちは自発的に学ぶ力を身につけることが出来ます。
STEM教育では問題を解くというよりも、問題について考え自ら学んで解決方法を探すということを学びます。
子供たちがお互いの考え方を共有し、友達の考え方や知識を取り入れることでより深い学びを得るのです。
メリット3.国際競争力を持つスキルを身につける
STEM教育の目的として、国際競争力を持ったスキルを身につけ、21世紀に必要とされる人材を育てるということがあります。
自ら学ぶ力とITなどのテクノロジーを組み合わせることで世界に通用するビジネススキルの基礎を手に入れることが出来るのです。
これらのメリットによって、STEM教育は住んでいる地域や性別、経済的な家庭環境にかかわらずテクノロジーに親しみ、創造し表現する能力を身につけられるようになります。
例え将来文系の分野に進むとしても、テクノロジーや科学への興味、関心をもっていることが大切なのです。
2.STEM教育で変わる学校教育、これまでの教育との違い

STEM教育の導入によって、少しずつではありますが子供たちに求められる能力や評価方法が変わっていきます。
コンピューターなどのITスキルを使って世の中の問題を解決する能力は、世界的にこれからの子供たちに必要とされているのです。
STEM教育の世界的な導入について、そしてなぜSTEM教育が必要とされているのかの歴史的な流れを確認していきましょう。l
2-1.日本と世界のSTEM教育の導入
STEM教育は、2000年代にアメリカの教育政策で使われ始めました。
日本では2020年から導入となりますが、準備期間や移行期間などで1~2年の猶予があるため学校によってばらつきが出そうです。
海外では、すでにアフリカをはじめ世界中の様々な国の学校教育にSTEM教育が導入されていて、日本は世界でもかなり遅れての導入になります。
なぜSTEM教育が世界的に必要されているかというと、世界的に社会が必要としているものが変わってきたからです。
どのように変わってきたのか、20世紀の社会について次章で見てみましょう。
2-2.20世紀の社会と教育
20世紀は世界的に戦争が行われ、暮らしが破壊されて生活に必要なあらゆるものが不足していました。
20世紀の教育は、足りないものを埋めるために必要な労働力を育てることを目的としていたのです。
石油や鉱物といった資源も無限に存在するかのように考えられていました。
では21世紀がどうなっているかというと、世の中はものにあふれていますし、資源には限りがあり環境に配慮するなどの持続可能な社会が求められています。
20世紀型の教育では、これから必要とされ国際的に競争力のある人材を育てることが難しくなっているのです。
では、21世紀の社会に必要な人材とはどのようなものなのか、STEM教育に求められていることについて次に見てみましょう。
2-3.これからの社会に必要とされるSTEM教育
21世紀に求められる教育には、世界にある矛盾や対立を解きほぐし調和させるスキルを身につけた人材を育てることが求められています。
20世紀型の学校教育はというと、教わる→覚える→テストという流れでした。
21世紀型教育法であるSTEM教育では、課題がある→解決方法を考える→考えをシェアする→いろいろな人の意見を取りまとめる→より良い解決を見つけるという流れになります。
もちろん、今まで通り教育には覚えたり公式に当てはめて問題を解く能力も必要です。
しかし、STEM教育が進むことで、社会にある問題を見つけ自ら学びそれを表現していく能力が評価されていくことでしょう。
3.遊びで学べるプログラミング教材

最後に、ご家庭で家族で遊びながらプログラミングを学べる教材をご紹介します。
子供にプログラミングの勉強の事を聞かれた時に、自分に教えられるのか不安に感じることでしょう。
小学校で学ぶプログラミングの授業では、沢山の命令文を打ち込むのではなく、パズルのように図形型の命令を組み合わせてロボットを動かしたりすることを学びます。
低学年の子供でも親子で学べるプログラミングの教材はたくさんあるのです。
パソコンが家に無くてもゲーム感覚でプログラミングの勉強ができるものを簡単に紹介していきます。
スマホとポッキーでプログラミングが勉強できる”GLICODE”
タイトルの通り、スマホとポッキーがあればプログラミングの基本を学べます。
AndroidではPlayストア、iOSではAppStoreで「GLICODE」をダウンロードしたら、出てくる問題に合わせてポッキーを並べて写真を撮るのです。
これだけでプログラムが出来上がりプログラミングの基礎を学べるようになります。
タブレットで出来るプログラミング教育
タブレットがあれば、プログラムを学びながらゲームなどのソフトを開発することが出来ます。
iPadをお持ちなら、アップルが子供用に開発したPlaygroundというアプリがとても優秀です。
迷路の中のロボットをゴールまで連れていくうちにプログラミングを学んでいきます。
他にもScratchという子供用のプログラミング言語は、ブラウザでプログラミングが学べますので、検索してみましょう。
ゲームで学ぶプログラミング
次は、ゲームでプログラミングを学ぶ教材です。
任天堂のSwitchがご家庭にあればニンテンドーラボというゲームを買うことでプログラムの勉強ができます。
付属の段ボールを組み立てコントローラーを組み込む事でゲームを遊びながらプログラミングを学ぶことが出来るのです。
アメリカの小学校の一部ではニンテンドーラボがSTEM教育用に導入されています。
STEM教育用のデジタル教材
電子機器の入ったブロックをつなぎ合わせていくことでプログラミングを勉強できるデジタル知育玩具があります。
レゴブロックのMindstormやBoostと言ったブロックキットや、micro:bitおよびKOOVというものです。
これらの玩具ではさまざまなセンサーのブロックを使ってロボットを動かす事で遊びながらプログラミングを学べます。
※KOOV
小学生向けのプログラミング教本
最後に紹介するプログラムの教本は絵本で学べるプログラミング教材です。

「ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング」という本で、絵本を読んでいくことでプログラミングの初歩を学べます。
ルビィのぼうけん特設サイトからおまけ画像をダウンロードしてプリントすれば、それらを切り抜いて並べることでプログラムの考え方を身につける事が出来る絵本です。
商品名 | ルビィのぼうけん こんにちは!プログラミング |
購入ページ | Amazon / 楽天 |
値段 | 1,944円(税込) |
以上、親子で楽しみながらプログラミングが学べるものをご紹介しました。
ぜひこの機会に子供たちと一緒にプログラミングを学んでみましょう。
まとめ
STEM教育とは、世の中にある問題を理解し解決するための知識やコンピューターを使って解決する能力を育てるための教育です。
昔は読み書きそろばんと言われていましたが、これからは読み書きプログラミングになっていくでしょう。
STEM教育の目的は、考える力、表現する力、シェアする力、そして何よりも自分で学ぶ力を身に着けることです。
プログラミングが出来れば、国語や社会の授業などは関係なくなると思われるかもしれません。
しかし、これから社会人になって必要とされるのは、ITで社会の矛盾を解決する能力やコミュニケーション能力になっていきます。
STEM教育で学んだ能力をテコに、世の中を変えるビジネスができる子供に育てましょう。
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